2009年6月26日金曜日

002 バリ島へようこそ


インドネシア共和国は面積が約192万平方キロメートルで、人口は世界4位の2.3億人(2008年国連推計)。
国土は東経95度45分から141度05分、距離にして約5,000キロメートルと東西に長く、この中におよそ1万8千の島々が群集し、「エメラルドの首飾り」と呼ばれる世界有数の島嶼国家だ。島の数は、かつては13,677と聞かされたが、そのうち17,508となり、最近の国立航空宇宙研究所の分析で18,108となったらしい。近いうちに2万に届くことになるだろう。ついでながら、これだけ島が多いと島影も多いということになり、最近の海賊の横行には悩まされているらしい。国際商業会議所の「海賊情報センター」の「船舶に対する海賊および武装強盗 2000年前半期IMB年次報告」によると、これに対抗するのに239隻の艦船と114機の航空機を要する計算だそうだ。


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バリ島は、その東西のほぼ真ん中に位置する。東経115度15分、南緯8度25分、面積5,633平方キロメートル。南半球である。首飾りの西から辿ると、スマトラ島、ジャワ島とふたつの大きな島がつながった先に、そこからフローレスやティモールの群島へ砕けていく付け根のところにバリ島がある。

バリ島の人たちの93%はヒンドゥー教徒である。ちなみに、政府の統計によると、宗教の全国シェアはイスラムが88.2%、ヒンドゥーが1.8%ということだから、計算すると、全国のヒンズー教徒432万人の62%が、面積で0.3%のこの島に集結していることになる。
島の大きさは愛媛県とほぼ同じ。島のやや東寄りに標高3,142メートルのアグン山がそびえ、島の大部分はその裾野で、そこに広島県と同じ290万人の人と、夥しい数の犬と鶏と家鴨と豚と牛が住んでいる。

飛行機の上から見ると、裾野は一面の緑だ。その中に、小さな集落の屋根並が、点々と満遍なく分布している。それらの間を、細い白い道が糸のように、尾根筋を這ってつないでいる。


1年のうち半分、だいたい10月から4月あたりまでが雨季である。雨期には毎夕定期的にスコールが襲ったり、かと思うとまるで梅雨のように何日も何日もしとしとと降ったりする。
南半球なので雨季は“夏”にあたる。したがって、クリスマスもお正月も熱い盛り。ある年のクリスマスにビーチのホテルにいたら、そのホテルのサービスで、巨漢のバリ人が分厚くて赤い衣装に帽子をかぶり、大きなひげをつけて、カンカン照りのガーデン内を走り回っていた。汗だくのサンタクロースである。

南半球なので、乾季は“冬”にあたる。暑いことは暑いが、朝晩には長袖がほしいこともある。とくに、乾季の朝のすがすがしさは格別だ。

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